『THE MODEL』もはや教養レベルの一冊

THE MODELE マーケティング本

本サイトのBtoBマーケノウハウ読書記録は以下のような立て付けになっています。
効率的に情報を得たい方は①②は飛ばして③に行くことをおススメします。
①本の紹介前振り、本の概要
②本が役に立ちそうな人の例
③本の中でここを読むだけでもエッセンスが学べると感じるポイント
④本を読んで個人的にノウハウの活用を実践できた例

『THE MODEL』ってこんな本

BtoBマーケの本はC向けマーケに比べて非常に少ないと感じています(個人の感想)。
加えて日本国内向けの内容となると、私がBtoBマーケ担当になった2000年ごろだとAmazonでBtoBマーケの本を探しても見たこと、読んだことがある本ばかり。
C向けのマーケ本やWebマーケ系の本は、新しい流行が起きるスパンが非常に速い中、B向けの本は基本は学べるけれど目新しいメソッドはあまりないなぁと感じていた時に現れたのがこの本でした。

当時BtoBマーケを担当していた方は一斉に飛びついたんではなかろうかと思われるくらい注目された本、『THE MODEL』。今となってはTHE MODEL方式のような使われ方をしたり、B向けマーケの事例やWeb上のコンテンツにも結構な頻度で登場するほど有名な本になっています。

私自身もBtoBマーケ担当になってすぐに知ったことと、当時所属していた部署がこのTHE MODEL式にいち早く飛びついたということもあって、私のBtoBマーケの基礎はTHE MODEL式で成り立っているというくらい影響された一冊です。

『THE MODEL』が役に立つかもしれない人

『THE MODEL』はこんな思いを持っているBtoBマーケ担当の方に役に立つかもしれない本です。

BtoBマーケの王道ノウハウを知りたい
新規リード獲得に行き詰まりを感じている
マーケ、インサイドセールス、営業の連携に興味がある
BtoB向けマーケ部署が立ち上がったばかりで何から手を付けていいか悩んでいる

マーケ向けエッセンスが最も詰まっているのはここだと思う!

『THE MODEL』をまだちゃんと読んだことはないけど、BtoBマーケの業務に使えるノウハウを効率的に知りたいという人は、第3部のプロセスー第7章マーケティングP80 ~92に最も具体的なノウハウが書いてあります。

もう少し全体象も含めたい、でもやっぱり効率的にインプットしたいという方の場合は、
第2部分業から共業へ~第3部プロセスのP40~195に一マーケティング担当者として使えるエッセンスが詰まっています。

THE MODEL式という言葉が使われるようになった理由として、この第3部に実際のマーケティング業務ですぐに取り掛かれそうな超具体的な方法論が書いてあることが大きいと感じています。この章では、例えば中長期的なマーケティング活動をやっていると現れてくるリードナーチャリングの課題について、リサイクルリードの考え方が提示されたり、リードのパイプライン管理例の具体的な表などが紹介されていて、実業務を経験しているマーケ担当なら「おっ!使えそう!」と思える部分が非常に多いんです。

すぐに取り掛かれる内容ではあるものの、実際やり始めてみると自社が保有しているリード状況や商材の特性が異なるため、THE MODEL式にピッタリ当てはまるということはなかなかないことがわかりますが、ベースとなる考えは多くのBtoBマーケの現場で応用できそうなエッセンスがちりばめられています。(SaaS系商材の場合はよりピッタリ当てはまるのかもしれません。)

一方第4部以降は、管理職の方にはより響きそうな内容になっています。私の場合は管理職ではなく一マーケティング担当で施策を実行する部隊の人間ですので、後半はすぐに役立つ内容ではありませんでした。(ただし新しい視点や知識として役に立つ情報は当然あります)

本書を参考に実践できたたと感じていること

『THE MODEL』に書かれている内容を完璧にマスターできているとは口が裂けても言えない状態の私ですが、一部でもこの本を元に実践に活用できているなと思う部分もあります。
例えば以下のようなポイントです。

・リード獲得→リード選定→インサイドセールス→営業のへ流れをルーティンに組み込めた
・リードリサイクルについての課題認識(ただこれは最適な対応はまだできていない)
・MAツールで強化すべき箇所の優先順位付け

今では当たり前の内容もありますが、それはそれだけこの本の内容が王道の取り組みとなってきている証拠だとも感じています。それぞれのポイントについて少し詳しく書いておきます。(個人の経験に寄りすぎている内容かもしれません)

流れのルーティン化

リードを獲得してからマーケで選別し、インサイドセールスへ引き渡し、より確度の高いリードを営業へパスするという流れは一般的に多くのBtoBのディマンドジェネレーションでは行われています。

ただこの良くある流れも、実際のマーケティング組織内に置いては、細かいリードの質の定義に悩んだり、労力がかかる流れでもあるため、取り組みに不安を抱えながら実施している印象があります。私はTHE MODELを参考に疑う余地もなくトライ&エラーを繰り返しながらもリード獲得~営業へパスするまでの間で分業化した流れを何度も繰り返すことができたおかげで、ある程度ルーティンに落とし込める程度に自信を持って取り組めるようになりました。

リードリサイクルについての課題意識

本書の中でも重要なエッセンスの一つが「リードリサイクル」の考え方です。新規リードを獲得しても、特にBtoBの場合は芽はあるが時期や予算状況などの関係ですぐにホットリード化せずに育成対象に戻るリードも多く出ます。

この育成対象に戻るリードリサイクルの流れにきちんとアプローチしていくことは、リード獲得コストをかけずにナーチャリングできる貴重なリードです。このリサイクルリードへの適切なナーチャリング施策を新規獲得と並行しながら実施していくことが非常に重要だという課題意識を強く持つことができるようになりました。(ただしリサイクルリードの管理や効果的なナーチャリング施策については自身としてもまだまだやり方を模索しています・・・)

MAツールでで強化すべき箇所の優先順位付け

これは特に本書の中で明示的に優先順位付けのような記載はありません。MAツールは本当に便利で完全に使いこなすことは非常に難しいです。そのために、MAツールでできることの中でもどういった部分を積極的に活用していくべきかの勘所のようなものを本書からヒントをもらうことができました。

例えば、MAツールの基本であるメール配信やSFとの連携などは基本的に活用するとして、その他リードスコアリングや自社サイトへの訪問タイミングなどでのアプローチ方法の検討などを優先度を上げて取り組むようにするなどです。

まだまだTHE MODELから学べることは多い

本書を参考にして多少なりともも自身のBtoBマーケティング活動に役に立つメソッドが学べた実感はありますが、実際本書の重要なエッセンスの1割も消化できていないというように感じています。

例えばこの本ではマーケ部門だけではなく、インサイドセールスや営業、カスタマーサクセスについても具体的な取り組むべき内容が書かれているのですが、マーケ以外の部門についてはまだまだ理解が及んでいない部分が多いです。

また、インサイドセールス部隊は内製化することが重要だとあるものの、組織を新しく作るようなことまでは手が及ばず、外注に依存しています。(それでも成果は出せていますが改善の余地は多い)

世の流れは早いので、また新しい流れが産まれてくるとは思いますが、個人的には本書は教養レベルで今後も読み継がれていく書籍になるのではないかと感じています。私も読み返すたびに新しい気づきをいただけため定期的に開くようにしています!

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